【問題作ミステリー!?】おすすめの面白い小説part11
前回のおすすめはこちらから↓
https://masu1999.hatenablog.com/entry/2020/05/02/120041
今回紹介するのは、
我孫子武丸さんの「殺戮にいたる病」です。
こちらの作品は、タイトルだけでも知っているという方が多いのではないでしょうか。
よくおすすめのミステリーなどで紹介されると思いますが、どこのサイトも読む人を選ぶような書き方をしていたので、僕自身読むのを敬遠してました。
『東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるシリアルキラーが出現した。くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、捉えようのない時代の悪夢と闇、平凡な中流家庭の孕む病理を鮮烈無比に抉る問題作!』
あらすじを読んだだけで、なんとなく想像がつにように、結構きつい描写のオンパレードで、最初は読むのが辛くてなかなかめくる手が進みませんでした。
本書は犯人が捕まるシーンから始まります。
ですので、犯人は読者にはわかった状態で話は進み、犯人の行動と並行して一人の元刑事、そして犯人の家族の行動についてもかかれ、犯人、元刑事、犯人の家族の三視点で物語が進みます。
所々で犯人の歪んだ愛が産んだ悲劇を目にしなくてはならず、理解ができないシーンが多くあります。その恐怖を味わいながら読み進めていくと、いつのまにか物語は決着し、真相が明らかになるのですが…
ラストは急に訪れ、そこにはとある新聞の記事が載っています。
それをみた時、頭が混乱して今まで読んできたことが間違いだったことに気づくのです。
正直、最初は意味が分からなくて読後の感情は
無事読み終えた安堵感と、思ってたのと違ったというもどかしさで埋め尽くされました。
しかし、解説を読むと納得。
本作は最初から最後まで読者"達"の勘違いを生み出す緻密な構成によるお話でした。
内容ばかりに気を取られ、ちょっとした違和感に気づくことができなかった自分が悔しいです。
内容に話題が行きがちですが、構成がとても素晴らしい作品でした。
みなさんもぜひ、読んで騙されてみてください。読む人は選ぶかもしれないですが…
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